病院以外で働く看護師【体験談】産業看護師の仕事

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産業看護師は常に人気の求人です。
特に病院勤務に疲れた看護師が、転職先として探す傾向にあります。
私は産業看護師をしていた事があるので、産業看護師の仕事について、実際はどうなのかシェアしたいと思います。

産業看護師の仕事内容

産業看護師と言っても、採用される企業によって仕事内容は違ってきます。
大きく分類すると
1、 社員の健康管理業務
2、 診療所や医務室で働く
3、 コールセンターでの健康相談業務

コールセンターでの健康相談業務の場合、正社員での求人募集は少なく、契約社員やパートアルバイトという形が多く、民間企業に委託している場合もあります。

私が働いていた企業は、工場ごとに診療所があり、全てをまとめる本部の医療センターがありました。
私は本部での採用で、看護師長と私以外に4人、合計6人の看護師がいました。
本部には検査室もあり、採血やレントゲンは技師さんが行っていました。
内科、外科、眼科、耳鼻科、皮膚科の診療日があり、診療科で担当看護師が決められています。(経過治療の必要な社員さんの為の診療)
診察の介助、次回受診日の指示、保健指導、診察に来なかった人の再呼び出しとこれら全ての入力が主な仕事です。
上記に加え、採用前、採用後の定期検診が頻繁にあるので、問診、計測、診療の介助などに追われます。

なので、医療行為はほぼなく、パソコンに向かってデスクワークをしているか、外来看護師の様な動きをしています。

診療所に配属になった看護師に話を聞くと、体調不良者が出た時や処置が必要な場合は大変だけど、それ以外は時間に余裕があると楽しそうに話をしていました。

産業看護師の給与

企業によって規定は違いますが、普通です。
産業看護師は給与がいいと思っている人もいるようですが、それはただの噂だと思います。
私の勤めた企業は平均よりも高い企業でしたが、前病院の基本給と比べても大きく変わりませんでした。
夜勤を行う常勤看護師と比べると物足りなく感じるでしょう。

ただ、病院と明らかに違う事は、昇給率です。
企業の給与体制に従うので、長年勤めれば病院勤務の看護師とは明らかに差が出てきます。

何の資格も持っていない社員さんでも長年勤めればお給料が上がっていきます。
医療行為もないので当たり前かも知れませんが、この時初めて看護師資格が軽く感じました。

産業看護師のメリット

・夜勤なし、定時出勤定時退社(土日祝休み)
・急変、救急受け入れなし
・身体的精神的負担が少ない

夜勤なし、定時出勤定時退社(土日祝休み)

企業内の看護師は、その企業の就業規則に従った勤務なので、基本的には土日祝日が休みです。
出勤時間、退社時間も決まっていますので、生活リズムも整うし、身体が楽です。
データー管理の仕事が多いので、事務職に近く、スマートに仕事をしている感覚になります。

急変、救急受け入れなし

何といっても、命に係わる場面に遭遇しない環境は、魅力的です。
残業もあるし、違う忙しさはありますが、病院看護師の様なピリピリした空気はありません。

だからでしょうか?

挨拶をしない人もいないし、近付き過ぎず離れ過ぎず、いい距離感で付き合いが出来ます。
自分の家族やプライベートを大切にする人が多かったですね。

身体的精神的負担が少ない

別の意味で忙しさはありますが、自分のペースで仕事ができます。
分からない事はいつでも聞ける雰囲気がありますし、嫌な顔もされた事はなかったし、丁寧に教えてくれます。

スタッフ間ですごく仲がいいかと言われると、普通で、どちらかと言えば広く浅くという感じでしたが、その人間関係が身体的にも精神的にも楽でしたね。
看護師としてではなく、事務職で一般企業で働いた事がありますが、やはり同じ様な感じでしたから、本当はこれが普通なのかもしれません。

産業看護師のデメリット

・看護技術が低下する
・接遇に厳しい
・プライベートに要注意

看護技術が低下する

医療行為が少ないので、どうしても看護技術は低下します。
病院に再就職する場合、不利に働く可能性もあるかも知れません。

接遇に厳しい

社員さんの福利厚生の一部分でもあるので、看護師の対応、言動に対しては病院よりも厳しい部分があります。
看護師の当たり前ではなく、社会人、サービス業としての対応が基本です。
と言っても、余裕を持って対応できるので、カリカリする事もなく、自然に、上品で丁寧な対応をしている感じでした。

プライベートに要注意

看護師は一度に多くの人の対応をするので、社員さん全員を覚えていない事も多々ありますが、社員さんは意外に看護師の事を覚えているので、会社外の行動も見られていたりします。

SNSも発達しているので、仕事帰りに飲みに行っていると、知らない所から噂が流れたりすることもあるので、そういう部分では注意が必要です。

産業看護師の求人の見つけ方

看護師転職サイトがメジャーでなかった頃は地元の求人広告に出ていたりしたのですが、今はほぼ見つける事は出来ません。

元々退職者が少ないので、求人が出る事も少なく、看護師転職サイトが非公開求人として持っている事がほとんどです。

看護師転職サイトの中でも【医療ワーカー】【マイナビ看護師】は産業看護師の求人が多いのですが、地域やその時々で持っている求人情報が違うので、複数の看護師転職サイトに登録して、産業看護師の求人が出るのを待ってみてもいいかも知れません。

※看護師が病院以外で働ける場所は、他にも沢山ありますので、こちらもどうぞ。
病院以外で働くという選択~看護師の資格を活かす32の働き方~

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